第38回日本肥満学会

ご挨拶

会長 このたび、第 38回日本肥満学会を 2017 年 10 月 7 日(土)・8 日(日)の両日、大阪国際会議場(大阪市)で開催させていただく運びとなりました。

 今回のテーマは、"肥満症学「適塾」"とさせていただきました。 肥満症という考え方は、日本肥満学会が中心となって、日本の研究者達が、世界に発信したものです。我が国では、欧米とは異なり、肥満を疾患学的・予防学的な見知からとらえてきました。その延長線上で、肥満症という疾患概念、そして"Obesity Disease"という疾患エンティティーの確立に到っています。

 適塾は、幕末の蘭学医学者・緒方洪庵が、今回の学会場の近い大阪船場の地に、後進の育成のために1838年に創設し、現在もその建物が存在しています。「人の為に生活し、ただおのれを捨て、人を救はんことを希ふべし」の精神で、高峰譲吉、福沢諭吉といった多くの人材を輩出しました。出身身分を問わず、それぞれが畳1畳のみ与えられ、皆で切磋琢磨しながら学問にいそしむ。人の受け売りはせず、皆の智恵を結集して常に世界の先端を走っている、その明るく豪快な雰囲気に皆が浸り、夜中に灯が消えたことはなかったと言います。

 本学会員の智恵の結集で、世界に先駆けて、内臓脂肪型肥満が提唱されて30年、アディポサイトカイン概念が提唱されて20年、脂肪組織を中心とした医学研究コンソーシアム・アディポミクスが創成されて10年が経ち、昨年の「名古屋宣言」で"Obesity Disease"がアジア・オセアニアの肥満研究者達と謳歌されました。
 日本肥満学会総会は、多くの領域の医師、保健師、栄養士、看護師、薬剤師、そして多くの領域の医学研究者、農学研究者、薬学研究者、生物学研究者、らが一同に集い、皆がお互いの知識と技術を共有し、まさしく切磋琢磨しながら「肥満症」の予防・治療に向かって集中的に「肥満症学」に浸る場です。この大会では、日本肥満学会の独創性の精神を振り返り、次の世界への発信に向けて、学会員皆で、肥満症学を「適塾」したいと考えています。

 本会2017 年10 月 7 日(土)・8 日(日)の翌日10月9日(月)は休日です。この機会に秋の大阪を学問、文化、そして食、いずれからも満喫していただけるよう準備を進めております。ぜひ皆様連れ立ってご参加下さい。
平成28年10月吉日
第38回日本肥満学会
会 長 下村 伊一郎
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